【音楽で繋がった親友の話】
【君は今でも覚えていますか?僕は変わらず元気でいるよ】
とあるバンドの歌詞なのだが、
中学時代の親友にこの曲を送ってみた。
すっかり忘れていた歌だったが、とあるアプリから偶然発見し、
中学時代ひたすら一緒に聴きまくっていた親友へ送ってみたのだ。
かれこれ15年は疎遠になっている。
返事が返ってくるだろうか。覚えてくれているだろうか。
久々に何故か緊張した。
スーパーマンだったイメージの彼。
何でもできたし、カッコよくて、モテる。
一番仲も良かったし、
お互いの家にしょっちゅう泊まりに行き、バンドや音楽、ギターに熱くなっていた。
そんな彼が高校で初めた、夏休みのバイト。
そこで機械事故に巻き込まれ、左手首から先を失った。
前日も家に泊まりに来ていて、朝方まで遊んでいた後の事だった。
プレス機での挟まれ事故。
劣悪な機械の状態、環境。
朝まで遊んでいた事でこんなことになってしまい、悔やんでも悔やみ切れないし、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
ギターが好きで、よく家で弾き語りをしていたのを思い出すとその頃は
かける言葉もなかった
始めは強がっていたが、
高校も早々に辞めてしまい、
不便な生活からの苛立ちやストレスからだろう、
グレだし、悪の道へ向かい
いつの日か疎遠となり何処で何をしているのかも分からなくなった。
東京に行った情報は得たものの、
連絡も取らず、かれこれ15年。
久々に、この思い出の曲を聴きながら、中学時代を思い出し、
今どうしているだろう。
と無性に気になり、この曲を聴いてもらいたくて仕方がない。
するとすぐに返信があった。
返信があっただけで、繋がった気持ちで、懐かしさや思い出がフラッシュバックし、グッときた。
返信内容は、
【昨日もこの曲は聴いていた〜】
と一言。
あんなにグレて、警察沙汰を繰り返して、どうしようもなくなって、誰とも疎遠となった奴が、この曲を聴いているだと。
こんなマニアックであの頃しか聴いていなかったような曲を。
通勤電車でちょっと泣きそうになる。
そこから色々聞いていくと、今でも中学時代に聴いていたバンドや音楽をバリバリ聴いてる。
今ではすっかり忘れていた曲やバンドをあれこれ教えてくれた。
それだけで、その時の記憶が蘇る。
新しく聴いてる音楽(バンド)も昔と変わらないようなスタンスの音楽を聴いている。
紹介してもらったバンドを聴くと、懐かしさの塊のようなメロディと歌詞だった。
素性はというと、
どうやらとっくに更生し、今は東京で家を買い、家族を持って、まともに暮らしているらし。
あんなに荒れていた奴も、今は父親で、サラリーマンなんかしちゃっている。
この歳にもなれば、そりゃそうかと思う。
35にもなってグレているような奴ではない事は分かっているが、内心安心した。
趣味はキャンプ。
これから登山やトレランもやりたいらしい。
やはり同じような感性を持ち、感覚を持っているのか、流れが一緒である。
インスタのアカウントを交換したが、しっかり自分がやっていたキャンプスタイルそのままである。
運動神経は抜群で、長距離では京都でもトップクラスだった彼ならトレランなんてやりだすと、かなり良い成績が出せるかもしれない。
家には猫も飼っている。
猫は昔から好きだったし、実家にもキジトラのデブ猫がいた。
そんなデブ猫そっくりな、むしろ生まれ変わりではないだろうかというキジトラの猫を、我が家でも飼っている。
そんな親友と我が家の妻は同じ誕生日である。
もう運命的なやつか。
疎遠になって15年。
まともに会話できるか心配ではあるが、昔に戻れる事を楽しみにしている。
秋になれば、岐阜県あたりでゆっくりキャンプでもしようかという事になった。
もちろんソロキャンで。
こんな出来事があった今日この頃でした。
探偵ナイトスクープ出れるかな🕵️♀️